忘れちゃいけないこと

ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11)

ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11)

3月、1冊しか本読めなかったなあ…地震の件で、何だか落ち着けませんでした。なんだかんだで会社も家でもバタバタしてて。というのは言い訳にしかならないけど。そんなこんなで、3月から読んでた本を、今日読み終わりました。これ。
久々かなあ、東野さん。これは、ホラー?オカルト系?そんなお話でした。確かに、読み終わったあと、ん?っていう違和感みたいなものはあったかも。じゃあアレは何だったの?とか。ああそういうことかっていうゾワゾワ感を期待してたわたしとしては、ちょっと物足りなかったかなあ。でもね、すごく印象的だったセリフがあって。最後あたりの瑠璃子のセリフ。「そうして今度こそ忘れないで。あなたがあたしを殺したということを。あなたが殺した女の顔を、女の目を」ここ、なんかうわあって思った。そうか、って。わたし的にだけど、このお話の中で一番伝えたかったことって、ここなのかなあって。よく耳にする、目にする交通事故。その中でも死亡事故はやっぱり被害者にとっては一生忘れることなんてできないものなんだよなあと。加害者も、被害者だっていう江島のセリフがあったけど、それは、なんていうか、加害者は絶対に言っちゃいけないことなんじゃないかって思った。確かに気持ちは分かるけど。でも。瑠璃子は、本当に悲しくて悔しくて切なくて可哀想な、そういう人だったんだなあ、と。