切なすぎる

変身 (講談社文庫)

変身 (講談社文庫)

ちょっと時間かかったけど読み終わったー!やっぱり、東野さん面白い。すごい。どうなっちゃうのか、すごいハラハラしながら読んだ。なんか、この小説は深く考えさせられるというか、心に残る言葉や文章がいっぱいあるなあ、と思った。すごい切なくて、悲しかった。現実には起こりえないことかも知れないけど、もしもこれが自分だったらって考えると、本当に怖いし、悲しい。今までの自分がどんどんなくなって、違う自分になってしまうことの恐怖。ジュンの、足跡のくだりはすごい印象に残る。堂元博士みたいに(笑)
だんだん自己が崩壊していく中で、ジュンの意識があるときは愛する恋人のことを「恵」と呼んで、京極の意識に支配されているときは「あの女」って言ってるところが、なんていうかすごい心にズキズキきた。本当に悲しくて切なくて、ドキドキしたお話でした。東野さんって本当、すごいの描くなあ!しみじみ。