忘れないということ

かあちゃん

かあちゃん

久々の重松さん。またこれは絶対泣くだろうなあ…と思いながら読み始めましたが、案の定という感じで。電車の中で何度も涙こらえた。このね、重松作品の、ひとつひとつのお話が繋がっていく感じが、たまらなく好きです。繋がっていって、そしてみんな少しずつ成長していて。みんないろんなことを抱えていて、いろんなことに悩まされて、それが良い方にいったり、悪い方にいったり。それでもそういう人たちが触れ合って、近づくことで、また違う明日が見えてきたり。タイトルからしてそうなんだけど、ひとつひとつのお話には、お母さんが必ず出てきてて。なんかもうほんとに、あったかい。どんな状況でも、そんな人でも、お母さんはあったかい。久々に、重松さんのほっこり、頂きました。そしてこのお話は、いじめが題材にもなっていて。いますごく、いじめっていう単語が頻繁にニュースに出てくる。そんなときにこれを読むとやっぱり、何とも言えない気持ちになる。このお話の中にも出てきたけど、“どうして、ひとはひとをいじめるんだろう。どうして、いじめはなくならないんだろう。「いじめをやめろ」「いじめられても死を選ぶな」と言うおとなたちは、誰も、その問いに答えてくれない。”っていう部分に、ものすごく、共感した。わたしもその、おとなの一人なのかも知れないけど。やっぱり、答えられない。どうして?って思うけど、分からない。この世の中から、いじめがなくなればいいのに。いじめなんていう単語自体、なくなればいいのに。わたしには、まだまだ答えが出せそうにない。