永遠の休息

主よ、永遠の休息を

主よ、永遠の休息を

みなさまのレビューにあるとおり。後味悪く、何も救いのないお話。…なのかもしれないけど、わたしはそんな誉田さんのお話が好きだったりします。別に、全てのお話に救いを求めなくても良いでしょう。むしろ、桐江にとってはこの結末が救いだったんじゃないのかな、というのは可哀相すぎるかな。タイトルも、誰に向けてかは読み手の解釈なんだろうけど、わたしは、桐江に対してなのかなあ、なんて考えてました。確かに、こんな犯人に対しては気持ち悪さ、憎悪、狂気しか感じられない。殺してやりたいって思うかも知れない。悪いのは全部この稲垣満という男だし、桐江にはもっと楽しいことや幸せを沢山感じて生きていって欲しいと思うけど、でも、稲垣満が傷つけたものは、桐江の身体と心だけじゃない。もっと深くて、深くて。治らない、傷。そんなものを残された桐江に、これからも頑張って生きろなんて、わたしは言えないや。死ぬことが正解だったのか、生きることが正解だったのか、分からない。だけど、こういう事件を目にし、関わった者たちは、忘れちゃいけないんじゃないか。こうやって死んでいった子がいるんだってこと。絶対忘れないで、一生、犯人を赦さない。それがやるべきことなんじゃないか。そんなことを読了後、考えました。