警察小説

刑事たちの夏〈下〉 (新潮文庫)

刑事たちの夏〈下〉 (新潮文庫)

はいはい、下巻終わり!いやあ何だかもうこれは重くてどろどろしすぎててまさに泥沼っていうかもう堅苦しくて難しくて壮大な話でした。…って書くと、面白くなかったように思われちゃうけど、すごい面白かったです。わたしこの手の小説大好物だから(笑)確かに大蔵官僚やら警察官僚やらはたまた首相まで出てきちゃうこのお話、難しかったことは難しかったんだけど、問題はその複雑な政治のイロイロを理解することではなく、こういう暗闇の事件が起こったときに、こうして躍起になって悪いことは悪い、きちんと司法によって裁かれるべきだと、行動にうつす警察官はどれだけいるのかと。行動にうつせなくても、上からの圧力にひれ伏すことなく、悪いことは悪いって真正面から思える警察官はどれだけいるのかと。そういうことを思いました。少なくともわたしは、そっちの方に注目しました。だって政治のイロイロは難しくて理解するほうが無理だよ(笑)だからね、こういう正義や信念を一生懸命、本当に命を懸けて貫こうとするお話は大好きなんです。本当のところは分かんないよ。分かるわけないよ。だけど、こういう中で、夢くらい見ても良いんじゃないか。
面白かったです。本当のところが分からないのに、リアルだなあと思いました。重かったけど、この重さ、好き。古沢検事の強さが欲しい、こういう女性になりたい、と思った。